こんにちは。新人プログラマーの岩本です。
今回はSOLID原則の1つ「オープン・クローズドの原則(Open-Closed Principle)」について、自分なりに調べたことをまとめます。
ソースコードというのは常に変化し続けます。もしコードが変更に弱ければ、バグを生んでしまうことにつながります。
そこでオープン・クローズドの原則が身に付いていれば、変更に強く機能を追加しやすいコードを書くことができます。
ぜひ最後までご覧ください。
実装環境
- 言語…Swift 5.8.1
- OS… macOS Ventura 13.1
- アプリ… Xcode 14.3.1
オープン・クローズドの原則(OCP)とは
オープン・クローズドの原則(以下、OCP)とは、1988年にBertrand Meyerが提唱した以下のような原則です。
ソフトウェアの構成要素は拡張に対して開いていて、修正に対して閉じていなければならない
『アジャイルソフトウェア開発の奥義 第2版』より引用
簡単にいうと、「既存コードを変更することなく、機能を拡張できるようにすべき」という考え方です。
コードを変更することなく機能を追加できるので、新機能の実装が容易になります。
OCPを実現するには
OCPを実現する方法はいくつかありますが、一番簡単なのはインターフェースを使用することです。
例えばViewModelがテスト用のAPIを使って通信する例を考えてみます。
一見問題ないように見えますが、もし本番用のAPIに切り替えたい!となったときに、ViewModelのコードまで変更する必要があります。
これはOCPに反しています。
解決するには間にインターフェースを挟みます。
こうすることによってViewModelのコードを変更することなく、本番用のAPIに切り替えることができるようになります。
ではここからは具体的なコードを用いて、OCPを説明します。
OCPに反したコード
先ほどの図をコードで表現していきます。
まずはOCPに反したコードです。
// テスト用のAPI
class TestAPI {
func fetchData() {
print("This is Test API")
}
}
class ViewModel {
let api: TestAPI
init(api: TestAPI) {
self.api = api
}
func fetchData() {
api.fetchData()
}
}
let viewModel = ViewModel(api: TestAPI())
ここで本番用のAPIに切り替えたい!となったとします。
切り替えるためにはViewModelのコードを変更しなければなりません。
// 本番用のAPI
class ProdAPI {
func fetchData() {
print("This is Prod API")
}
}
class ViewModel {
let api: ProdAPI // ProdAPIに変更する必要がある
init(api: ProdAPI) {
self.api = api
}
func fetchData() {
api.fetchData()
}
}
let viewModel = ViewModel(api: ProdAPI())
APIを切り替える際にいちいち型を変更するのは面倒ですよね。
OCPに即したコード
ではここからは先ほどのコードを、OCPに適応するように書き直していきます。
まずViewModelとAPIを繋ぐ、インターフェースを定義します。
protocol APIProtocol {
func fetchData()
}
ViewModelのapiをAPIProtocol型として定義することで、テスト用と本番用を切り替える際に、変更を無くすことができます。
class TestAPI: APIProtocol {
func fetchData() {
print("This is Test API")
}
}
class ProdAPI: APIProtocol {
func fetchData() {
print("This is Prod API")
}
}
class ViewModel {
let api: APIProtocol // 切り替えの際に変更する必要がない
init(api: APIProtocol) {
self.api = api
}
func fetchData() {
api.fetchData()
}
}
let viewModel = ViewModel(api: ProdAPI())
これでOCPに即したコードに書き直すことができました。
やってることはとてもシンプルですね😄。
まとめ
今回はSOLID原則の1つ「オープン・クローズドの原則(OCP)」を紹介しました。
OCPとは「既存コードを変更することなく、機能を拡張できるようにすべき」という考え方でした。
やってることはとてもシンプルですが、とても重要な概念です。
ぜひご自身の手で色々と試してみてください。
ここまでのご閲覧ありがとうございました!
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